ただの古い家と〝古民家″との違いは?

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ただの古い家と〝古民家″との違いは?

「古い家」と「古民家」の違い

みなさん、「古い家」と「古民家」の違いって何だと思いますか?

一般的に「古民家」というと、築50年以上が経過した日本の伝統的な木造住宅を指すことが多いようです。一方で、街で見かける「古民家カフェ」などの多くは、厳密な定義とは別に“なんとなくの雰囲気”でそう謳われているケースも少なくありません。

古い建物の利活用に携わる人間として、私はそれも一つのあり方だと思っています。明確な定義のもとに守られてきた歴史的・文化的な価値はもちろん大切ですが、現在世の中で使われている「古民家」というフレーズは、そうした厳密な定義から離れ、一つの魅力的なキーワードとして定着していると感じるからです。

ちなみに個人的には、「古民家」という言葉が持つ商業的なニュアンスや、他の建物に対する優越感(古くてすごいでしょ?という感じ)を感じることもあり、積極的には多用しないようにしています。ただ今回は分かりやすさを優先して、「古いということに価値が見出されている建物」のことを“古民家”と呼ぶことにします。

では改めて、「ただの古い家」と「古民家」の違いとは何でしょうか。

明確な定義がない以上、その違いは

「関わる人たちによって、古いことに価値が見出されているかどうか」

で決まるのではないかと考えています。

建物やそこで培われた歴史、独特のビジュアルに人が価値を見出し、それを対外的に発信した瞬間、ただの古い家はレトロな魅力を持つ「古民家」に変わる。つまり、古民家とは“評価する人がいて初めて成立するもの”だと思うのです。

コテンポがこれまで関わってきた建物の多くも、所有者様にとっては「ただの古い家」でした。しかし、私たちの視点で切り取ると、それらの多くはレトロな魅力を持った「古民家」になり得ます。

そう変化させるために重要なのが

「建物の使い道を柔軟に考えること」

です。

古い建物を魅力的にみせる使い方

例えば、住宅としては不便とされる要素も、用途を変えることで大きな強みに変わります。

  • 土壁の部屋:住宅として快適性を追求するなら、断熱材で覆ってしまうのが一般的です。しかし店舗として使うなら、土壁の持つ素材感や風合いがそのまま空間の味わいになり、集客につながる魅力になります。
  • 外壁に這うツタ:住宅なら手入れの手間や美観から撤去されますが、宿として活用するなら「物語のワンシーンのような独特の雰囲気」として価値に変わります。

これらは一例ですが、古い建物の魅力というのは、その建物が持っている歴史や表情と、その建物をどのように使うかという“用途”との組み合わせで最大化できるものだと思います。

その家がもつ魅力を認識し、適した用途と組み合わせ、対外的に発信することによって、ただの古い家は現実に即した魅力的な“古民家”となっていきます。

そう考えるとまちで見かけるどんな建物も魅力的に見えてきませんか?