太宰府らたん

太宰府らたん 活用事例

太宰府駅徒歩5分

やや急で細い坂を上った先に建っている昭和41年建築の古い洋館(2024年時点で築58年)です。

何人かの入居者を迎えた後、最終的に約20年間この建物は人が住まない空き家でした。

私が不動産サイトで売り出し中のこの建物を見つけたのは2023年の春頃です。

古屋付き土地として売り出されていたサイトページにちらっと映った古い洋館。

これはもしかして、と思ってさっそく見学に訪れると、そこにはレンガ積みの外壁にツタがはった、まるでジブリの映画に出てくるような古い洋館が建っていました。

建物は相当に傷んでいましたが、なんとかならないこともない。抜けた眺望や広い庭、駅から近いのに静かな住環境など理由は何個かありましたが、何よりそのまるでおとぎ話の中に出てくるような建物の雰囲気に魅了されたのを覚えています。

これは磨けば光る原石だぞ、と思い、建物の具体的な活用方法は決まっていませんでしたが、その場で購入を決意したのを覚えています

余談ですが、なぜこの建物が長年買い手がつかず空き家のままだったのかというと、建物の傷みがひどく、多くの人にとって建物を再利用できると思えない状態であったことに加え、もし仮に建物を建て替えるとしたら、土地の整地に多額の費用がかかる形状であったことが原因だったのだと思います。

建物を使うことはできず、それでいて建て替えも難しい。普通に考えてこれではどうしようもないですよね。

一方、建物を再利用することができれば、土地の値段でレトロな洋館がついてくる掘り出しものの不動産になる、というわけです。

太宰府駅徒歩5分ということもあり、当初はお店を営む人向けに店舗兼用住宅として貸出しを考えていましたが、途中からより多くの人にこの建物の魅力を体感してもらうのであれば使う人を限定しないレンタルスペースのような形がいいのではないかと考え直し、最終的には宿泊施設&レンタルスペースとして運営を行うこととなりました。

改修工事にあたっては、使えるものはできるだけ残し、その残した部分がより魅力的に見せるよう、補修や更新を行うことで、建物の持っているレトロな雰囲気をできるだけ際立たせるように意識しました。

キッチンに新たに貼ったラワン合板の床は昔ながらのパーケットフロアをイメージ、リビングの天井の一画はあえて天井を落とし建物の構造体と碍子(がいし)が見えるようにしています。ちなみにこの碍子とそこにはった電線は現在も現役で使用されています。

普段は宿泊施設として運用し、宿泊の予約がない時はイベントにも利用していただけるよう、水回りや寝室などのプライベート空間とリビング兼イベントスペースとを仕切ることができるように着脱式のパネルを用意、また将来的に店舗として利用されることも想定して、リビングスペースの床下には各種配管をすでに用意しています。

作る過程も多くの人にみてもらいたいという思いから、工事期間中に2度のDIYワークショップと見学会を開催し、2024年5月に工事が完了しました。

20年間もの間、誰からも必要とされなかった古い建物が、そのレトロな魅力を活かした宿泊施設兼イベントスペースとして生まれ変わりました

建物の名称は太宰府らたん

ジブリの映画に出てくる古い洋館のように、これから先、多くの人に愛着をもって使われる建物になることを願っています。

=info=

建物名:太宰府らたん

用途:宿泊施設&イベントスペース

面積:138.2㎡

築年数:昭和41年

住所:福岡県太宰府市宰府2丁目

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